| ガード下、昭和の息遣い(阿倍野区美章園) 2025/10 F8 |
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| 大阪市内を歩けば、いろいろな形で昭和が顔をだしている所に出会える。阿倍野区の美章園もその一つ。戦前から戦後まもなくに建てられた古い民家とか商店が最近の建物と混在し、庶民的な商店街を形成していて下町情緒に溢れている。なかでも、阪和線美章園駅のガード下の景観には、とりわけ昭和を感じさせられた。鉄の天井があるため屋根は不必要か簡易なもので済む。本格的な建物構造にしなくても良いわけだから、自分の生活に合ったように建てて補修され維持されてきたのだろう。どれもちょっとくたびれてはいるが、とても住みやすそうだ。自由な発想の建物はどれもユニークで愛嬌があって良い。これこそ鉄骨の重厚感と庶民の生活の気配が交差した昭和の残響が息づく空間だなと思った。気さくで飾らない暮らしや暖かい人情が失われて久しい。それがここに今も息づいているように思うと、画欲が強く肩を押してきた。 |