未来を照らす?太陽の塔

未来を照らす?太陽の塔  2024/9 F8
「太陽の塔」は高さ70mの巨大なモニュメント。その迫力ある存在感を表したくて間近から見上げるような構図でスケッチしてきた。太陽の塔には3つの顔があるが、この絵では正面の「太陽の顔」と塔頂部の「黄金の顔」の一部が見えている。裏側の「黒い太陽」はちょこっと先が見えるだけである。これらの顔はそれぞれ現在、未来、過去を象徴しているそうだ。未来の顔は黄金色に輝き、いかにも明るい未来を照らしているように見える。だが、ネットで調べた限りどうも作者の岡本太郎のメッセージはそうではなかったらしい。万博のメインテーマは「人類の進歩と調和」だったが、人類は進歩も調和もしていない、人類はぶつかり合いの中で進んでいくものであって、それが間違った方向に行かないように警鐘を鳴らしているのだという。それが事実ならまことに先見の明があったと言えるだろう。54年後の今日、人類は岡本太郎が危惧した方向に突き進んでいるように思えるからだ。今、岡本太郎が生きていれば裏側の黒い太陽こそ現在の顔だと言うかもしれない。関西万博やⅠR(カジノ)で経済が活性化すると浮かれ騒ぐ人々をきっと嘲笑することだろう。「いのち輝く未来社会のデザイン」というメインテーマやシンボルとしての「大屋根リング」を芸術家岡本太郎はどのような評価を下すだろうか。


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