ホロホロ鳥

 ホロホロ鳥(マリの民芸品)  2025/8 四切
6,7月度川端画塾でのモチーフは、先生がマリ共和国(西アフリカ)展で手に入れられた木彫品と織物。この二つの民芸品を自由に組み合わせて構図を作って描くよう指示があった。ネットで調べると、木彫品はホロホロ鳥の被り物で「チワラ」と呼ばれていること、主にバンバラ族が農耕祭事や成人式などで使用しているという。織物の方は「ボゴランフィニ」と呼ばれ、手織りの綿布で赤茶の泥で染られていること、戦士の衣装や儀式用の布に使われているとのことだった。木彫をスケッチしていると、実物の鳥は見たことがないが、素朴な彫方で特徴を象徴的に捉えられているように感じた。高度な精神性を表した芸術品だと思う。布の幾何学的な模様も呪術的、象徴的な意味が込められているのだろう。じっくりと見るほどにマリの人々が暮らす様子を知りたくなってくる。画塾終了後、アトリエで「ホロホロ鳥パーティ」が開かれた。塾生にフランス料理家がいて、彼女が日本で唯一の岩手のホロホロ鳥牧場から丸焼きの燻製を取り寄せ持ってきてくれたのだ。それで先生の奥様の手料理も加わって急遽の食事会になった。フランスでは食鳥の女王と言われ特別な行事の際によく出されるとか。なるほどお味はとっても柔らかくジューシー、その濃厚な旨味は忘れがたい。 思いがけない楽しいひと時だった。


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