| 住まいの灯を継ぐ街ー平野郷ー 2026/3 F8 |
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| 足の故障で屋外スケッチに出かけられない状態が続いている。仕方なく、自宅で昨年12月の大阪・平野郷でのスケッチ会で未了となっていたラフスケッチを基に、さらに一枚描いてみた。江戸時代まで自治環濠都市として栄えてきた平野郷は、古い町割りに歴史ある古社寺、町屋や古民家が随所に残っている。ここは、前回(2023年)のスケッチ会のときに描いた魚屋さんから教えてもらった古民家が並んでいる地域。廃屋や空き家と隣り合いながらも住まいにされている人たちがおられる。面々と住まいを受け継ぎ灯をともし続ける人々がいるからこそ情緒ある地域が守られてきたのだと思う。この絵は廃屋を中心に据えているが、錆びついて蔦がからまるようなところだけではなく、庶民の生活の営みもあるということを表そうとしてみた。廃屋を全風景の一部として捉えたつもりである。平野郷は住民による町おこし運動が盛んなようだ。自治都市の伝統が現在まで受け継がれていることが、情緒ある街並み保存の力になっているように思えた。ところで、この絵は水彩紙の裏面に描いた。表面は描きさしの失敗作なのだが、水彩用紙の値段が異常に跳ね上がっているので、有効利用したつもりだった。だが、裏面は完全な風邪を引き状態で意図したように描けず、じゃじゃ馬を相手にした難儀はあったが、発色が良くないことがく沈んだ色調基調になり、現場の空気感になじんでくれたことは幸いだった。 |