あらぎ島の棚田

あらぎ島の棚田  2024/5 P9
絵仲間グループで「日本の棚田百選」、「国の重要文化的景観」に指定されているあらぎ島を描きに行った。和歌山県の山中奥深く、有田川がぐるっと円形に蛇行したところにできた土地が島のようにみえるところから「島」という名前が付いたのだろう。そこに先人たちが長い年月をかけて棚田を造ってくれた結果、扇型に棚田が一塊になって広がるという珍しい景観を見せてくれている。その全景は、対岸の山の斜面にある三田集落の展望所からしか望めない。そのためだろう。あらぎ島の写真や絵画は、どれもこの展望所からの景観のようだ。拙画も同条件なので、変わり映えしない見下ろし構図になった。せめて季節感で特徴を出そうと、田起こし前の柔らかい草地の棚田を強調したが、またまた塗り重ねて色を濁らせ不満が残る絵になった。展望所に到着したときちょうど前夜の雨で張り出したモヤが気温の上昇と共に上がり始めていた。とても幻想的な光景だった。これは遠景に利用しない手はないと思って描いてみた。


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