目覚め 2021/12 四切 |
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後期高齢者の仲間入りをした途端に癌が見つかり、二ヶ月半の入院生活を余儀なくされた。その間一枚も絵が描けず、ホームページの更新もできなかった。化学放射線治療で体力が衰えると描く気力もなくなってくる。遅きに失したが、日頃からの健康管理の大切さをあらためて認識させられた。この絵は退院後間もないときに川端画塾で描いたもの。冬至の頃になると保存していた玉葱から芽が出てくる。新芽は蓄えられた栄養分を吸い上げ、ぐんぐんと伸びていくが、玉葱の方は干からびてゆくばかり。まるで我が身のような侘びしさと新しい生命力の逞しさが合わせ待つ面白さに惹かれた。(2022/3改題) |