震災の記憶

震災の記憶(神戸港・メリケンパーク)  2024/7 P9
こもれび水彩クラブのスケッチ会が神戸港のメリケンパークで開けれた。「メリケン」と聞けば、私と同世代なら淡谷のり子が歌う「別れのブルース」の「窓を開ければ港が見える。メリケン波止場の灯が見える」のフレーズが自然に出てくるのではなかろうか。現在のメリケン波止場では歌のようなロマンチックな港情緒は感じられない。ポートタワーや海洋博物館、ホテルなどが建ち並ぶ観光スポットなのだ。特に30年前の阪神淡路大震災(1995/1/17)からの復興過程でずいぶんと様変わりしたようだ。今回は、その大震災の爪跡がそのまま保存されている「神戸港震災メモリアルパーク」でスケッチしてきた。液状化現象で岸壁が崩れ落ち半分海中に沈んだ状態を見ていると、早朝の激震に驚いて飛び起きたときのことや数日後に食料支援で現地に向かったときに見た惨状が思い出された。この保存遺跡は震災のすさまじさが肌で感じ取れる貴重なもの。それが60mしかないのはちょっと物足りない気がした。記憶の風化を防ぎ次世代に正しく伝えていく様々な努力が求められていると思う。


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