日向椎葉の民家


2010/8 B3変型  日向椎葉の民家
 涼しい場所で描けるところを求めて豊中市の服部緑地内にある日本民家集落博物館を訪れた。江戸時代に建てられ昭和30年代まで使用されていたた各地の代表的な民家11棟が移築復元されている。 いつも外国人が熱心に見学されていることが目に付く。猛暑の今頃は日本人よりも多いくらいだ。 宮崎県日向の椎葉村から移築された旧家(国の重要文化財)に入ると、汗が引いてきた。広い土間から細長い間取りが見渡せる。太い柱や梁が縦横に組まれたどっしりとした構え、かまどやいろり、その煙に燻された何とも言えない良い色合いに魅せられた。涼んでいると幼い頃のことが懐かしく思い出され、苛ついた心を落ち着かせてくれる。癒し効果たっぷりの民家である。
 土間から内部を描かせていただく承諾を得てスケッチし始めたが、意外と難しかった。不自然な箇所が出る度に消しては直していった。小林征治さんが、建物は人体寸法と深く関わっているので、建物の尺度や比率は人間の皮膚感覚にすり込まれている故にごまかしが効かないということを書いておられる。まったくその通りだと思うものの、なかなか建築パースのようには描けない。古木の微妙な色合いの違いを出すのも難しかった。飽きもせず何回も訪れて描き進めていったことに、我ながら執念深いなあと呆れている。
 この建物も大勢のボランティアさんの活動で維持されていることも知った。一斉清掃後の雑談を側で聞きながら描いていると、行政の財政難がいかに博物館運営を困難にさせているかということも分かった。皆さんのご苦労に頭が下がる思いだ。


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